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塚田圭一の歌舞伎瓦版
このページでは、イヤホンガイドでもお馴染み、花道会代表の塚田圭一が執筆した最新記事を掲載します。歌舞伎の旬の話題から、観るためにヒントなどが満載です。過去の記事も御覧になれますので、ぜひ参考にしてください。
七五調の名ぜりふ
 “月もおぼろに白魚の かがりもかすむ春の空……”(三人吉三)
 “知らざァ言ってきかせやしょう。浜の真砂と五右衛門が……”(白浪五人男)
 歌舞伎の大きな魅力の一つに名ぜりふというのがある。
 河竹黙阿弥(1816―93年)の作に多いが、五七五の韻をふんでいて耳に心地よく響いてくる。五七五の韻は、和歌、俳句から都々逸にいたるまで使われていて、日本語に合うようである。
 せりふの言い方として、楽屋内では「時代に言う」といっているが、ある時は大きな声を張り上げてオーバーに表現する。対照的に「世話に言う」というが、リアルにさらっとしゃべる。この「時代」と「世話」をかみ合わせることによって、名ぜりふは生き生きとしてくる。
 それに「下座音楽」BGMがバックに流れると、さらに引き立つ。
 オペラで「蝶々夫人」を見たとする。
 「ある晴れた日に」のソロが、曲がよく、歌がうまく、歌手が素晴らしいと、それだけで満足してしまうのと似ている。同様に、ご贔屓の役者の名ぜりふを聞きたいというだけの目的で歌舞伎見物に出かける観客はかなり多いようである。
 河竹黙阿弥は依然人気があり、初春興行でも歌舞伎座で「十六夜清心」(菊五郎)、新橋演舞場で「白浪五人男」(海老蔵)が上演され、2月の歌舞伎座でも「三人吉三」が上演される。
 女装の盗賊・お嬢吉三(玉三郎)、武家上がりのお坊吉三(染五郎)、坊主上がりの和尚吉三(松緑)という三人同じ名前の吉三が出会い、義兄弟の契りを結ぶというお芝居である。原作は大変長い作品なのだが、発端の一場、大川端の場だけが人気狂言としてよく上演される。
 言うまでもなく七五調の名ぜりふがふんだんに聞けるからで、玉三郎の美しさと相まって、ぜひ味わっていただきたい
2009/01/21 聖教新聞掲載
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